ビコーズとゲットバック

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まだ中学に入ったばかりだったろうか、それとも小学校を卒業するころだったろうか。よく覚えていないけれど、親に小さなラジオを買ってもらい、嬉しさで一杯でFMを聴いていた。

FMが凄いいい音に聞こえた時代。下手な家の小さなソノシートのプレーヤー(もう誰もこんなの知らないか?)よりもはるかにクリアーな音に聴こえていた頃。

ラジオからゲットバックが流れてきた。もうすでにビートルズは少し知りはじめていて、この自分にとっての「新曲」も強烈にかっこよかった。ノックアウト状態。

で、次に流れてきたのがビコーズ。当時はこれが理解できなかった。ビートルズが、あのロックでウルサイグループがゲットバックならOKなのだけれど、こんな旋律は、ビコースまではガキの理解を超えてしまっていた。「あんまり面白くねえ曲だなあ…」って感じでそのとき青臭いガキは聞き流していた。

そのときのゲットバックは今もカッコよさ満開だ。さすが。

で、ビコーズのほうは…これは180度視点が変わってしまった。この美の極致。ジョンレノンというガキには荒くれ者としか思えなかった奴が作ったこの美。そして3人のコーラスが織り成すコーラスは、あのやかましい音を出すバンドのイメージを摩訶不思議なものに変化させ始めていった。「もしかしたら、あのやかましいビートルズというバンドは天才という存在なのだろうか?」…ビコーズは時代が流れ行くほどに、そしてそのときのガキが成長するほどに、その凄さを露呈し始め、ガキは時の流れと共に、「美」という音世界にノックアウトされていく。ロックというリズムではなく、美という価値観がやっとのことでガキにはわかり始めたのだった。

当時のガキには、視野の狭い、世界の狭いガキには、こんな深遠で遠大な音の世界を理解できなかったのだ。理解できないだけの理由で、面白くねえ、という恐るべき鈍感な感想を漏らしていたのだ。

もしかしたら、今でも理解できていないのかも知れない。でも、作曲家達の才能の深さ、広さ、オリジナリティにだけは気が付いたのだろう。何年もかけながら。

「恐ろしい作品だなあ」
数年後、ビコーズを聴きながらガキは深く深くため息をついていた。

その凡人のガキはそれに気づくまで何年かかったのだ?まいるなあ…







この記事へのコメント
昔あまり好きでなかった曲が気に入るって事がありますが、僕の場合初期の I cry instead,I call your name,When I get home等が最近のお気に入りです。ジョンの若くて張りのあるボーカルは最高です。まあ何年かすれば別の時期の彼らを聴きまくるんでしょう。それからDon't bother meもね。Happy birthday George!
2008/02/25(月) 22:40 | URL | 間 健治 #-[ 編集]
間さん:

我々、魚座生まれでしたね、ジョージと同じ。Hard days night 頃のジョンのノリはやはり永遠ですね。20代前半のジョンが、50歳に近づいた自分より、今もジョンの方がはるかに年上にしか聞こえません。
2008/02/26(火) 21:42 | URL | cavern #-[ 編集]
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