
昨日はポールの新作を聞いて、あまりに感激したせいか言葉ではうまくいえなかった。まあ、今日になってもそれはあまり変わらないけれど。いちいち、曲名を紹介して感想や勝手な解説を書くつもりもないし、だれも読んでも楽しくないだろうし。
ただ、昨日書かなかった(書けなかった)ことで、ひとつ告白したいことがある。
この作品聴きながら、なぜか涙が止まらなくなった。
今まで40年近くファンやってきて、ポールの音楽聴いてこんな涙を流したことはおそらく1度もなかった。ジョンが死んだ後で聴いたWomanやImagine聴いて泣いたことはあるし、ポールが来日中止になってくやし涙を流したことはある。名作、名曲を聴いて鳥肌が立つような感動を得たことは数え切れないくらいある。でも、涙したことはなかった。
昨日書いた、ポールの才能やポールの存在の尊さに対しての涙だったのか。いや、自分でもまだわからないけれど、ちょっと違う気がする。
自分もポールも年をとった。そして、未来よりも過去が長くなった。ポールの今回の作品の内容は、そんな人生の流れや節目をあまりに克明に唄っている。素晴らしいメロディもあるし、カッコいいロックンロールもポール健在でやたらに嬉しい。だけれども、作品全体にポールが今まであまり露出しなかった「人生観」のようなものが、自分にはやたらに敏感に伝わってくる気がする。その透明でみずみずしい感性や、子供の頃からの時間の流れの中で、音楽や友人や出来事に対するポール自身の人生観を残酷なまでに表現しなければならなかった過酷な事実。誰にでも起こりえる人間の運命にも似た時の悪戯「始まりと終わり」。そして、すでに盟友を失いながらも孤高の活動を続けるポール。そんな様々なことに対して、今回は敏感に反応してしまったのかもしれない。
正直いえば、ポールにはすでに自分の「死」が視野に入っているのだと思う。それを直視して、自分の人生観をやや残酷なまでにリアルに表現して作った作品。それが、今までの純粋な音楽としての作品の枠を越えて、人間の美しい心のようなものまでが作品の中に昇華されて伝わってきたのだろうか。
音楽やポールのエネルギー、そして消えることない才能には昨日も今日も大きな感動を得た。けれど、それは涙ではない。今回の作品は間違いなくなにか特別な想いがこめられている。
ファンとして長い時間が流れた。CDに記録された音楽を超えて、僕は今回初めてポールの心に触れることができたのだろうか。そしてはるか彼方の存在のポールに、なにかしら共有する人間の真理を見てしまったのか…今は、涙の理由はそんな気がしている。
この記事へのコメント
ビートルズ最後のアルバムでポールはBoy you're gonna carry that weigtと歌っていました。その後のポールが元ビートルズの一人として重荷を背負って生きていくことを覚悟していたかのように。そしてポールはその重荷に時には潰されそうになりながらも結局はそれに打ち勝ち、自らのキャリアを築きあげました。そしてそれらの重荷は今となっては眩い想い出となったのでしょう。もう重荷は無いのです。だから新作でのポールは軽やかで、初々しいのだと思います。65歳のポールが新たなキャリアを作っていく様をワクワクしながら見ていけるって幸せです。
2007/06/18(月) 00:23 | URL | 間 健治 #-[ 編集]
間さんも私とおそらく同じ位のファン歴なのかもしれませんが、気持ちがよくわかります。解散後などは特に「もっといい作品作れ!」とか言って不満も言ってましたが、今になると多少の不満より、この人の作品が今でも時々こうして届いてくることがなによりの嬉しさであり楽しみです。その意味では、ファンのほうもきっとずいぶん重荷( that weight)を肩から降ろしたのかもしれません。ポール、やはり好きですね。ジョンと比較する必要もなく、余計な期待をすることもなく、そろそろ素直にそういいたいと思います。
2007/06/18(月) 23:21 | URL | Cavern #-[ 編集]
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