以前にビートルズのエンジニア・ジェフエメリックの本の話を書いたけれど、最近やっと手に入れて読んだ。
この人はビートルズといえども批判的なところはしっかり書いており、ジョンやジョージ、さらには特にリンゴまで批判の対象になっているところもある。その上、プロデューサーのジョージ・マーチンまで時には批判しているので、おそらくかなり個人主義的な人か我慢の許容量が少ない人なんだろう。逆にそれだからあれだけ完全に近いものを追求できたのかもしれない。嫌いなものは許せないわけだから。
でも、ポールに関しては音楽の才能や人間性においてはあまり批判は出てこない。さらに上を行く完全主義のポール、ということだろうか。
ただ、それぞれの批判はあくまでエンジニアからの視点でしかないから、単に「仕事をしやすいかどうか」のポイントで語っているような気もして、それについてはあまり同感できない。ジョンは異常な人間で、ジョージはまだ未熟で、リンゴの曲は退屈で、なんて堂々と語っているのもなんとも面白いけれど、ファンとして読めば、あんたは誰のおかげで有名になれたんじゃ?といいたいところもあるくらいだ。
でも、結局は全員に対する尊敬は残っているのもよくわかる。いやなことを批判し、才能を褒めて認める、ということだろうか。
まあ、分厚いけれど面白い本だった。スタジオでどれだけ才能が飛び散っていたか、また、ホワイトの頃からの関係の悪化、ヨーコの違和感とジョンがビートルズから心が離れていった様子なども、この本が本当なら、ずいぶん赤裸々に書かれていた分、その頃の様子が目に浮かぶような雰囲気にすらなった。
さて、日本では相当うまいものも食べたし満足もできた。でも、久々に帰ってみて、時間の流れは強く感じた。古びたレコード見つけて、中学生の頃を思い出した。そして、この本では40年前のことにあらためて凄さを知った気がする。4チャンネルの録音、世の中ステレオさえ満足にない時代の作品を生み出した時代。今はもう再現できんだろうなあ。

